問題です。
メトロノームとは、何でしょうか?
メトロノーム・・・メトロは電車で、ノームは妖精。電車に棲む精霊?
全然違います。メトロノームは音楽の練習をやる時の、必需品です。
「メトロノームを使って、練習しなさい!」とよく言います、何故でしょうか?
楽器を演奏する際、基本的に同じ速さで演奏することが求められます。
自由に演奏していると、苦手な部分は遅く、得意なところは早くと、演奏の速さは不安定です。
メトロノームを使うと、演奏が早くなる、遅くなるところがはっきりと分かります。
この記事ではメトローム、メトロームを使う上で必要な知識になる拍と拍子、テンポについて紹介しています。
- 拍と拍子
- テンポ
- メトロノーム
拍と拍子とは
拍と拍子の意味です。
・一定の間隔で刻まれたリズムにて、その最小単位が拍。
・拍を、周期的に区切ったものが拍子。
全く意味が分かりません。
そうですね、意味わかりませんね。
メトロノームを例にし、説明します。
メトロノームは左右に振れるごとに、「カチッ カチッ」と音が鳴ります。
音は一定の間隔で鳴り、この一回の「カチ ッ 」の音が「拍」です。
左右に「カチ ッ カチ ッ 」と2回鳴ったのを一区切りとするならば、「2拍子」。
左右左右に「カチ カチ カチ カチ」と、4回鳴ったのを一区切りとするならば、「4拍子」です。
4/4拍子とは
一番よくあるのが、4/4拍子(読み方:ヨンブンノ ヨンビョウシ)です。
楽譜の最初、左に4/4という数字がありましたら、それは4/4拍子。
下の数字の「4」は、拍が4分音符。
上の数字の「4」は、1小節の中に4つ入ることを意味します。
全く意味が分かりません。
そうですね、これも意味わかりませんね。
4/4拍子を、簡単に言い直します。
4/4拍子は、1小節に4分音符が4つ入る。
4/4拍子は、「C」と表記されてこともあります。
小節と拍
縦線まで区間を、「小節」と呼びます。
最初から右へ向かって、1小節目、2小節目・・・と数えます。
1つの小節の中は、左より拍である4分音符を基準とし、1拍目、2拍目・・・と数えます。
3小節目3拍目と言いましたら、赤枠で囲んだ4分音符になります。
8分音符2つで、4分音符1つ分の長さです。
8分音符の場合、2つで1拍分の長さです。
同じ拍の中にある8分音符を区別する為、1つ目は「表」、2つ目は「裏」と呼びます。
「4小節目1拍目裏」は、赤枠で囲んだ8分音符を指します。
4/4拍子が理解で出来ましたら、後は分母(音符の種類)と分子(いくつ入るか)の数字が、変わるだけです。
3/4拍子 とは
3/4で代表的なのは、ワルツ。
4/4拍子ほどではありませんが、3/4拍子も聞く機会はよくあります。
3/4拍子は、1小節に4分音符が3つ入る。
6/8拍子 とは
次に紹介するのは、6/8拍子です。
6/8はピアノなど、クラシックではよくあります。
6/8拍子は、1小節に8分音符が6つ入る。
6/8拍子で、注意すべき点です。
6/8拍子は、付点4分音符が1拍。
付点4分音符は、8分音符3つ分の長さです。
6/8拍子は、1小節に付点4分音符が2つ入る。
6/8拍子は、2拍子です。
6/8拍子の楽譜は、下記のようになります。
「テンポ」とは
テンポとは、何でしょうか?
音楽において、曲の速さを表すのが「テンポ」。
同じ楽譜でもテンポが違うと、曲の印象は全く異なります。
テンポは楽譜の初めに、「音符=数字」で下記の記載されています。
上記テンポの意味は、「1分間に4分音符を60回刻む速さ」です。
「テンポ60」でも、意味は通じます。
数字の部分を120に代えると、意味は「1分間に4分音符を、120回刻む速さ」です。
テンポ120はテンポ60の、2倍の速さになります。
「1分間に、60回刻む速さ」というのは・・・時計の秒針と、同じです。
時計の秒針の速さは、テンポ60です。
テンポの音符は4分音符が多いですが、違う拍子の時には、他の音符になる時もあります。
次の例は6/8拍子、テンポの音符が付点4分音符です。
下記の楽譜におけるテンポの意味は、「1分間に、付点4分音符を60回刻む速さ」です。
テンポの意味が分かりますと、曲の長さを計算することができます。
時間の計算はあまり必要ではない為、読み飛ばして下さい。
4/4拍子でテンポ60ですと、1小節で4秒。
1つ1つの4分音符が、秒針と同じ速さだからです。
テンポ60にて、16小節分の計算方法してみます。
「16小節×4秒(1小節分の秒数)=64秒」。
簡単に計算することが、できました。
違うテンポの場合です。
4/4拍子、テンポ160、8小節分における時間の計算方法です。
1拍の時間は、「60秒÷160=0.375秒」。
1小節の時間は、「1拍の時間0.375秒×4拍=1.5秒」。
8小節の時間は、「1小節の時間1.5秒×8=12秒」。
よって8小節分の時間は、12秒です。
メトロノームの種類
音楽の練習をする時には、メトロノームを使って練習した方が、より効果的です。
他の方と一緒に演奏する時、一定のリズムで演奏できないと、演奏が合いません。
自由に演奏していては、正確な演奏ができているのかも、把握することが難しいです。
メトロノームの種類は、大きく2つに分かれます。
- 振り子式
- 電子式
各メトロノームのメリットとデメリットを、記載します。
振り子式メトロノーム
振り子式のメトロノームです。
振り子式メトロノームは、テンポを刻む「カチッ」という音が、何気に目立ちます。
もしメトロームの音が聞こえなくても、慣れてくるとどこが拍なのか、見て分かります。
見て分かるので、1つのメトロノームで、何人か同時に合わせることも可能です。
振り子式メトロノームの良いところは、拍が非常に分かりやすいところ。
振り子式メトロノームの、気を付けるべき点です。
(1)音量の調整が、できない。静かにしなくてはいけない環境では、使えない。
(2)丁寧に扱わないと、すぐに壊れる。平な所に置かないと、テンポが狂う。
電子式メトロノーム
電気式メトロノームは、拍を刻むだけではなく、8分音符や3連符、16分音符等々、色々な音符を鳴らすこともできます。
「16分音符の練習したい!」時には、16分音符を鳴らせるので、良い練習ができます。
持ち運びもしやすく、音量の調整もでき、イヤホンでも聞くことができる為、音を出しずらい環境でも使えます。
電子式メトロノームの良いところは、多彩な機能があるところ。
電子式メトロノームの、気を付けるべき点です。
電子的メトロノームにも、電子的な振り子を表示してくれる機能もありますが、
振り子式に比べると、電子式メトロノームは、拍を視覚的に理解するのが難しい。
ピアノなど音量のある楽器では、電子式メトロノームの音が聞こえない可能性がある為、拍を把握するのが難しいです。
振り子式と電子式メトロノームは、どちらもメリットとデメリットがあります。
私は音量の出ない、ドラムの練習パッドでは電子式メトロノームを使ってます。
実際に愛用している電子式メトロノームは、こちらです。
初めてメトロノームを使う時は、振り子式メトロノームの方が分かり易いです。
ただし落とさないように、丁寧に扱って下さい。
メトロノームを使って練習
メトロノームを使用した練習方法を、振り子式メトロノームを例にし、紹介します。
振り子式メトロノームは、左右に振れる度に「カチッ」と音が鳴ります。
テンポを設定することにより、そのテンポの拍を刻むことできるのです。
メトロノーム 4分音符
基本的には楽譜に書いてあるテンポに、メトロノームのテンポを合わせます。
下記の楽譜は、テンポが120です。
メトロノームを、120にセットします。
今回使用する楽器は、手拍子とします。
楽譜は、4分音符だけです。
メトロノームの「カチッ」と、手を叩くタイミングは、完全に一致します。
手を叩いた時の「パンッ」の音と、メトロノームの「カチッ」を、同じタイミングで鳴らさなければなりません。
メトロノーム 8分音符
楽譜が、8分音符だけとします。
赤枠の8分音符は、メトロノームの「カチッ」と完全に一致させます。
赤枠でない8分音符は、「カチッ 8分音符 カチッ」と、メトロノームの丁度真ん中で鳴らします。
手拍子で考えます。
2回のうち1回は、メトロノームの「カチッ」と、完全に一致させます。
加えて手を叩くリズムは、一定です。
メトロノーム 16分音符
楽譜が、16分音符だけの場合です。
最初にある赤枠の16分音符だけは、メトロノームの「カチッ」と一致させます。
手拍子で考えます。
手を4回叩くうち、最初の1回は、メトロノームの「カチッ」と完全に一致させます。
加えて手を叩くリズムは、一定です。
で、できません!
テンポ120で4回手を叩くのは、早くて無理かもしれませんね。
上記で解説した楽譜は全て同じ音符だった為、一定のリズムで音を鳴らします。
メトロノームを使って「カチッ」と、拍の最初の音符が合うように練習します。
2/4拍子の場合も、記載されているテンポに合わせるのが基本です。
下記の楽譜は、テンポが120です。
メトロノームを、120にセットします。
1小節目1拍目頭と、2小節目2拍目頭が休符です。
メトロノームの「カチッ」と、休符が合うように休みます。
拍と拍子、テンポとメトロノーム まとめ
拍子について、まとめます。
4/4拍子は、1小節に「4分音符が4つ入る」。
3/4拍子は、1小節に「4分音符が3つ入る」。
下記の楽譜は、テンポ60です。
1秒間に60回刻む早さ、時計の秒針と同じ早さです。
楽器の練習は、メトロノームを使うのと使わないのでは、上達する早さが違います。
振り子式メトロノームの取り扱い方は、十分に注意して下さい。
雑に扱うとすぐに壊れ、壊れたメトロノームでは練習ができません。