楽譜を見ると、たくさんの記号があります。
そもそもこの記号は、覚える必要があるのでしょうか?
私は、ないと思います。
いえ、あります。
音の高さの「ドレミファソラシド」。
音の長さの「4分音符、8分音符」。
2つが分かれば、楽譜を見ながら音を鳴らすことはできます。
加えて楽譜の記号が分かると、より曲を表現できるようになるのです。
作曲家が「曲一番の聴きどころに向かって、盛り上げていきたい!」という想いで、クレッシェンドを書いたとします。
しかし演奏者がクレッシェンドの意味を知らないと、盛り上がりがなく、平坦な演奏で終わります。
曲をより理解する為には、楽譜の記号を知っておくことが必要です。
この記事では、楽譜の記号について紹介しています。
(1)音の強弱
- クレッシェンド
- デクレッシェンド
- アクセント
(2)アーティキュレーション
- スタッカート
- テヌート
- スラー
- フェルマータ
(3)繰り返し記号
- リピート記号
- ダル・セーニョとセーニョ
- トゥ・コーダとコーダ
楽譜 音の強弱
楽譜には、強弱の記号があります。
強弱の記号は、曲を表現するのに重要です。
ある熱血教師をイメージした、力強く演奏してほしい曲がありました。
何も記載がなかったので、小さい音で演奏しました。
そうすると熱血教師の熱い心意気を、上手に表現することができません。
楽譜 音の強弱記号
イタリア語を3つ、記載します。
- forte(フォルテ)は強い
- piano(ピアノ)は弱く
- mezzo(メゾ)は中間
音の強弱を表すのは、それぞれの頭文字です。
さらに強い音にするには、フォルテの数を増やします。
弱い音にするには、ピアノの数を増やします。
楽譜 クレッシェンド・デクレッシェンド
音を段々と、大きくしたい場合があります。
強弱記号を使って、段々と大きくを表してみます。
実際は上記のように、書きません。
音をだんだん大きくする場合は、「クレッシェンド」の記号を使う。
だんだん音を、小さくする記号です。
音をだんだん小さくする場合は、「デクレッシェンド」の記号を使う。
クレッシェンドとデクレッシェンドは、記号の形通りです。
「<」はだんだん大きく、「>」はだんだん小さくと演奏すれば良いので、分かり易いです。
楽譜 アクセント
どれか1つだけの音を強調したい!、という場合に使うのが、「アクセント」です。
一部の音だけを強調させたい場合に使うのが、アクセント。
アクセントがついている音は、強調して演奏します。
アクセントは、アーティキュレーションの1つです。
どんな音を鳴らしてほしいのかを伝える記号を、「アーティキュレーション」呼ぶ。
アーティキュレーション
どんな音で、演奏してほしいのか?という記号も、曲を表現するのに重要です。
熱血教師の話の長さを表現する為、音を長目に「ターターターター」と鳴らしてほしいとしました。
しかし何も記号がなく「タッタッタッタッ」と短い音で演奏してしまっては、熱血教師の長い話が表現されません。
楽譜 スタッカート
アーティキュレーションを、全部で5つ紹介します。
最初は、「スタッカート」です。
スタッカートはイタリア語で、「切り離された」の意味。
スタッカートは、音をより短めに演奏する。
短めに演奏することで、次の音との間隔ができ、音が切り離されます。
楽譜 テヌート
2番目は「テヌート」です。
テヌートはイタリア語で、「保たれる」の意味。
テヌートがついた音符の、演奏方法です。
テヌートは、音の長さを十分に保って演奏する。
楽譜 スラー
3番目は、「スラー」です。
スラーの意味を、記載します。
スラーは、なめらかに演奏する。
いくつかの音符に、まとめてスラーがかかります。
ちなみにスラーは、英語です。
上記の楽譜は、「ド~ソ」までスラーがかかってます。
「ド~ソ」までを、なめならに演奏することになります。
タイとスラーは形が似ていますので、間違えないように気を付けて下さい。
同じ音の高さでつながっている場合は、タイ。
違う高さの音でつながっている場合は、スラー。
タイは別の記事で、解説しています。
楽譜 フェルマータ
最後は「フェルマータ」です。
イタリア語でフェルマータの意味は、「停止」。
フェルマータの演奏方法です。
フェルマータは、音を十分に延長する。
音を十分に伸ばすことで、いったん止まったように感じを受けます。
上記の楽譜は、ソの音にファルマータがついています。
ソの音を、十分に伸ばすことになります。
繰り返し記号
楽譜の繰り返し記号も、理解することが重要です。
実際に演奏する場合に繰り返し記号が分からないと、どういった順番で演奏していいのかが、分かりません。
もし熱血先生の曲が1~4番まで同じメロディの場合、4つ書くのも大変です。
1つの方が楽譜も長くならず、見やすくもなります。
熱血先生4人いると、インパクトありますね。
ちょっと怖いですね。
楽譜 リピート記号
繰り返しの基本、リピート記号です。
リピート記号の間の小節は、繰り返す。
実際の楽譜でリピート記号がある場合、どのように進んでいくのかを見てみます。
リピート記号の間に「BとC」があるので、「BとC」を繰り返します。
進む順番は、「A→B→C→B→C」です。
曲の最初は、開始のリピート記号が省略されています。
開始のリピート記号がない場合、曲の最初に戻ることになります。
開始にリピート記号がなく、「B」で終了のリピート記号が出てきました。
この楽譜は「B」までいき、最初に戻ることになります。
楽譜は「A→B→A→B」と、進みます。
楽譜 カッコがつく繰り返し
カッコがつく場合の、繰り返しがあります。
1カッコが終わったらリピート記号で戻り、次は2カッコに入ります。
「D」の1カッコが終わると、リピート記号のある「B」に戻る。
「C」が終わりましたら、1カッコには入らず、2カッコの「E」へ進む。
「A→B→C→D→B→C→E」の順番で、進みます。
楽譜 ダ・カーポとフィーネ
次は「D.C.(ダ・カーポ)」とFine(フィーネ)です。
イタリア語で「ダ」は「~から」、「カーポ」は「はじめ」、「フィーネ」は「終わり」の意味です。
「D.C.は曲の最初に戻り、Fineは曲の終わり」を意味する。
1回目にとおる「B」の「Fine」は、影響しません。
「D」の「D.C.」で、最初に戻る。
次に通る「B」の「Fine」で、終わりです。
「A→B→C→D→A→B」と、進みます。
楽譜 ダル・セーニョとセーニョ
「ダル・セーニョ」と「セーニョ」です。
イタリア語で「ダル」は「~から」、「セーニョ」は「印」。
「ダル・セーニョ」まで終えたら、手前にある「セーニョ」まで戻る。
「E」に「ダル・セーニョ」があり、「セーニョ」がある「B」まで戻る。
「C」にある、「Fine」で終わりです。
「A→B→C→D→E→B→C」と、進みます。
楽譜 トゥ・コーダとコーダ
最後は「トゥ・コーダ」と「コーダ」です。
コーダは、イタリア語で「尾」。
「トゥ・コーダ」から「コーダ」へ移動する。
1回目にとおる、「トゥ・コーダ」は影響しません。
「E」に「ダル・セーニョ」があり、「セーニョ」がある「B」まで戻る。
「C」ある「トゥ・コーダ」で、「F」の「コーダ」までとぶ。
「A→B→C→D→E→B→C→F→G」と、進みます。
楽譜の記号 まとめ
音の強弱、アーティキュレーション、繰り返し記号と紹介しました。
音の強弱とアーティキュレーションはよく出てくるので、覚えておいた方が楽です。
繰り返し記号は出てきた時に、「これ何だっけ?」と、その時に調べても大丈夫です。